空翔船団/管理記録

2009.10.30 Fri 久しぶりに描いた! [極短散文]

今日は会社休んじゃいました・・・調子悪いったら
まあ、熱とかはなかったので死んでたわけじゃなかったんですが
病院行きたかったので・・・

というわけで午後はぽちぽち小ネタを描き貯めておりましたのでお披露目です
続きからどうぞー

しかし久しぶりに開かれし封印組を描いてしまった
やっぱロビンとかジェラルドを描くのは楽しいです
早く合流させてあげたいな


【アレクス語り:ロビン、メアリィ】

「ね、メアリィ。
アレクスって、どんな人だった?」

唐突にロビンに問われたメアリィは一瞬、何を問われたのかさえ理解できなかったという。
それも無理のないことだ。今までの会話の内容とはまるで噛み合っていない、唐突過ぎる話の転換だった。

ええと、と小さく呟いて少女はさり気なく首をかしげた。
しかし問うた主であるロビンはいたって真面目な表情だ。
それはつまり、その場限りの回答など彼が望んでいないということだ。

故にメアリィはその問いに対し精一杯の回答をすべく、口を開くまでに少々の時間を要した。
「アレクスは、私にとっては家族でしたわ。
一緒にいて当たり前の存在で・・・どんな人だったのかと問われると迷いますわ。
そんなことを以前は考えたりしなかったですから」
常に一緒にいる人のことを説明するのは、実は難しい。一体誰が普段から隣にいる人物がどんな人物かを考えるのか。
そこにいるのが当たり前すぎて、そんなことは考えもしない。別れて初めて、あの人はああいう人だったんだと思い至る。

「けれど・・・敢えて例えるならアレクスは、優しかったですわ」
「優しかった・・・か」
それはロビンの中のアレクス像とどう結びつくのだろうか。
恐らく、メアリィが持つアレクスの印象とロビンの抱くアレクスの人物像は決して結びつきはしないのだろう。
ロビンにとってアレクスとは最初から今まで"敵"であるが、メアリィにとってはそうではない。その違いは、案外大きい。

「ええ、優しかった。幼かった頃はよく私はアレクスに手を引かれて歩いたものです。
よく覚えていますわ。私の手を引いて前を歩くあの人の顔は・・・いつも、笑っていましたから」
"――メアリィ、こっちです"
目を閉じれば今だって十分思い出せる。幼かった頃の、大事な思い出だ。よほど印象に強かったのだろうか、メアリィの記憶の中でアレクスという人物は常に笑顔だった。

しかしそれにしたって、どうしてロビンは突然そんな疑問を口にしたりしたのだろうか。
気になったメアリィは尋ねてみた。
するとロビンは肩をすくめて「ふと思っただけだよ」と返した。
「アレクスってほら・・・いや、ほらって言うのはおかしいか。
うん、俺にとっては、何考えてるかよく分からないっていうか。はっきり言っちゃうと、ちょっと気味が悪いんだよなあ」
それはそうなのかもしれない。
メアリィにとってもそうだ。少なくとも彼女にだって、"今の"アレクスが何を思い、何を考えてあんな行動をとっているのかはまるで理解できない。
理解したいと願っても、それは叶わぬ願いなのかもしれない。
ロビンは続ける。
「けど、メアリィは小さい頃のあいつを知ってる。だから、メアリィに訊けば少しはアレクスのこと、分かるかなって思ったんだ」
それだけだよ、とロビンは結んだ。

ふとメアリィの表情に陰りが生じた。
「・・・私にも、あの人の考えというのはよく分かりません・・・ほんの少し会わないうちにあの人は変わってしまった」
と、いいえ、とメアリィは首を横に振った。長い髪がしなやかに揺れる。
「変わったのは、私も・・・かしら」
誰に言うでもなく少女はぽつりと独り言を洩らした。聞こえていたのかいなかったのか、ロビンは何も言ってはこなかった。

「・・・けれど。
アレクスは間違っていますわ。灯台は、絶対に灯してはいけないのですから」
それはマーキュリー一族の掟だったはずだ。
彼はそれを破ったのだから、彼は間違っている。
だから、アレクスが一体どのような理(ことわり)を持っていたとしてもそれはきっと正すべきものだとメアリィは思っている。
・・・恐らくそれは。
ロビンが、かの幼馴染について思うところがあるのと、同じような感情のはずだ。

止めたい。
アレクスを、止めたい。
これ以上罪を犯せさせたくない。
それこそがメアリィを動かしているもっとも大きな想いのひとつだ。

そうしていつか。
・・・昔みたいに、隣を歩けたらいい。



→小ネタなのに若干シリアスっていう



【肝試しネタ:ロビン、ジェラルド】



「無理です」

ジェラルドは開口一番、今までロビンが知った中ではもっとも迅速に拒絶の言葉を口にした。
だがこれはロビンにとってはある意味予想通りである。というか、すんなり了承するはずがない。

何を隠そうロビンはジェラルドにこう提案したのである。
「肝試ししようぜ」
ホラーの類が全面的に苦手なジェラルドがそれを認めるはずがない。
なら誘うなという話なのだが、そこはそれ、ロビンにとってジェラルドは肝試し計画において非常に重要な位置を占めるので外せない。
やっぱり最強に怖がる奴が近くにいる方が面白いというものだ。

「肝」
「無理です」

すべてを言うより早くジェラルドがきっぱりと言った。早い。
「ええ、どうしてだよ。いいじゃん、やろうって」
「無理、無理無理。そんなんやるくらいだったら俺は逆立ちしてアルファ山登ってやるよ」
どんだけ嫌なんだよ。ロビンは呆れた。大体アルファ山には神官以外這入れないのだ。

「分かった。じゃあアイス奢るからやろう」
「何でもので釣ろうとしてんだよ! 俺はもうそんな手に乗るような年じゃねえよ」
「・・・ちっ」
引っかからなかったか・・・ロビンは舌を鳴らした。そううまくはいかないようだ。

「まあ、まあ。ジェラルド、よく考えてみろって」
「な、何だよ・・・」
ロビンはわざとらしくジェラルドの肩にがっちりと腕を回した。逃がさないようにしているようでもある。
いいか、とロビンは声をひそめた。いちいち行動がわざとらしい。
「そもそも肝試しっていうのは肝・・・つまり度胸を試すんだ」
「知ってるけどさ」
「つまり、男ならやって当然なんだ」
うん?とジェラルドは首をかしげながら顔をしかめる。
「そうか? なんかそれ、話が飛躍しすぎている気が・・・」
「いいや、飛躍なんてしているもんか。大体、お前今年でいくつだよ?」
「十七だ。てか、お前と同じだろ、年齢。知ってるんだから訊くなよなあ」
「そこ、的確にツッコむな。いちいち五月蝿い奴だな・・・とにかく、俺もお前も十七だぞ。もう子どもって年でもない。
それが・・・」
ふっとロビンは口許を上げた。何だか笑っているのだが、人を馬鹿にした笑みである。
「それが、いつまで経っても幽霊が怖いだの何だのって、情けないと思わないか?
そろそろ一皮剥けてもいい頃だと、俺は思うんだよ」
「・・・・・・」
ジェラルドは訝しげな顔をしている。
「・・・いや、駄目なものは駄目だぞ。
じゃあお前、ロビン、ピーマン食えって言われたら食べんのか?」
ぴたりとロビンの動きが止まる。微妙な笑みも硬直した。
ジェラルドは「どうなんだよ」と口を尖らせている。
「・・・・・・」
ロビンは返す言葉がない。

これを好機とばかりにジェラルドがにやりと笑みを浮かべる。
「ほら、お前だってピーマン駄目なんだから俺に強要すんなよってことだよ」
言いながらジェラルドはロビンの腕を肩から外した。

「・・・待てよ」
少しだけ震えた、幼馴染の声。ジェラルドは普段と違うその声色に目を瞬く。
「俺は、俺は・・・お前と肝試しがしたいんだ!」
いつになく真剣な顔でロビンは叫んだ。
その声の持つ迫力に驚いたジェラルドは二の句が次げなかった。
「お前じゃなきゃ駄目なんだよ!」
「ロビン・・・」
普段はそんなことを決して口にする男ではないのに、どうしてか今日に限ってそんなことを言う。
ジェラルドは少しじんとして、何一つ言い返すことができなかった。
単純に、嬉しかったのである。
「俺は・・・俺は、お前とっ・・・」
絞り出すような声。それは切実で、悲痛で・・・ジェラルドは、心を揺さぶられた。

ロビンは、本気なんだ。

「分かったよ」
項垂れた友人の肩に手を置いて、決心したようにジェラルドは言った。
「え・・・」
驚いたように目を丸くしながらロビンはぱっと顔を上げた。
ジェラルドは鼻の下をかいて照れたように笑った。
「お前がそこまで言うんなら、いいよ。しょうがないな」
「・・・ジェラルド。本当に・・・いいの、か」
「ああ。男に二言はないよ」
「・・・・・、は」
不意に。
ロビンは口許を歪めた。
「・・・へ?」
突然の表情の変化にジェラルドは顔を引きつらせた。

「言ったね。言った。言ったよね。やるんだな、ああ、やるんだよな」
「ちょ・・・ロビンさん?」
今までとは明らかに顔が違う。何故か今の彼は、いつにも増して凶悪に見える。ジェラルドは嫌な予感を覚えた。
「男に二言はない・・・ああ、なんていい台詞なんだ」
「いや、それは言葉の綾で・・・」
「は。今更遅いっての!」
忘れていた。ジェラルドはもはや言い返す気力もなく、にやにやと笑みを浮かべる幼馴染から視線を外した。
(そうだ・・・こいつは、こういう奴だった・・・)
どうやらロビンには演技力もあるらしい。彼の特技の一覧に、新たな項目が加わった一瞬であった。

結局肝試しに付き合わされたジェラルドは散々な目に遭い、逆にロビンはと言うとそんなジェラルドの反応を大いに楽しんだようである。



→ああ、馬鹿だこいつら・・・大好きだ・・・



あとふたつほどリクが残っております・・・
さあ、これから描くぞ・・・!

Posted on 18:25 Trackback 0 Comment 0 ▲ Pagetop

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